⌛ 読み時間:3分
総タンパク(TP)の正常値、年代別の平均値、人間ドッグにおける基準範囲をご覧頂き、総タンパク(TP)が正常値を超える(下回る)原因と考えられる病気、そして総タンパクの数値を正常値にする方法をまとめます。
総タンパク(TP)は、正常値よりも低いか高いかにより、考えられる原因(病気)が違ってきますので注意しましょう。詳細は後ほどの一覧表にありますが、総タンパク(TP)の数値が低いと肝機能障害、高いと脱水症や高タンパク血症などがあります。
肝機能 総タンパク(TP) | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
正常値 | 6.5~8.0 g/dL ![]() |
||||
男 平均値 | 7.5 | 7.4 | 7.3 | 7.3 | 7.3 |
女 平均値 | 7.4 | 7.4 | 7.4 | 7.4 | 7.3 |
━━━━━━━━━━━━━━━━

2012年4月から総タンパクの正常値は6.5~8.0 g/dL、それ以前は6.5~8.2 g/dLでした。また、男女・年代別の平均値は、今のところ正常値を超える(下回る)ような状況にはなっていません。
また2016年に日本人間ドッグ学会が定義した総タンパク(TP)の基準範囲は、6.5~7.9 g/dLとなっていて、厚生労働省の正常値よりも上限が0.1ほど低い数値で設定されています。
人間ドッグ学会 TP 基準範囲 |
男女共通 |
総タンパク(TP) | 6.5~7.9 g/dL |
総タンパク(TP)に関しては、正常値の範囲を超える場合と下回る場合、それぞれで違う病気のリスクがありますので次の一覧表をチェックしておきましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━



TP 数値 | 考えられる原因(病気) |
6.5未満 | 体質(遺伝)、栄養不良、肝炎、肝硬変、腎臓病、妊娠、腫瘍 |
6.5~8.0 | 正常値の範囲であれば病気のリスクは低い |
8.0超え | 体質(遺伝)、脱水症、高タンパク血症、多発性骨髄腫、慢性感染症、膠原病 |

TPだけ高い(低い)なら、体質・体調・遺伝といった特に問題ない事もありますが、TPが6.5未満の方は、肝臓の異常(肝炎・肝硬変)や腎臓の異常(ネフローゼ症候群)などから総タンパク(TP)が低くなる可能性があります。
ネフローゼ症候群とは、体内のタンパク質が尿から出てしまう病気で、主に腎機能障害から起きる難病です。
TPの数値が8.0を超える方は、食中毒や下痢や嘔吐による脱水症状からの高タンパク血症、骨髄のがんである多発性骨髄腫、慢性感染症などが考えられます。
単に体調や体質、下痢が続いただけの脱水症状が原因なら気にする事もないですが、上記一覧表の病気の中に心当たりがある方は、その病気が悪化してる可能性もありますので、治療に全力を注いで、総タンパク(TP)を正常値へ近づけていきましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━
今日は、総タンパク(TP)の正常値、年代別の平均値、人間ドッグ学会が発表したTPの基準範囲をご覧いただき、考えられる病気をまとめました。皆さんの総タンパクの数値が一日も早く正常値になることを期待します。