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ALP(アルカリホスファターゼ)って何??という方も多いと思いますが、ALPは役所などの健康診断でも採用される、ALT/AST/γ-GTPと同じぐらい大切な肝機能を中心とした検査です。
今日は、ALPの正常値、年代別の平均値、人間ドッグ学会のALPの基準範囲をご覧頂き、ALPの概要と考えられる病気、そしてALPの数値を下げる方法をまとめておきます。
実はALPの数値が正常値を超えるのは、肝臓だけではなく、胆汁や胆管、骨や胎盤などに異常が出た場合も正常値を超えるのです。
ALP | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
正常値 | 120~350 IU/L ![]() |
||||
男 平均値 | 212 | 214 | 215 | 220 | 225 |
女 平均値 | 169 | 171 | 226 | 235 | 256 |
【ALP(アルカリホスファターゼ)】肝機能まとめ

ALP(アルカリホスファターゼ)の概要、考えられる病気、ALPを下げる方法をまとめます。
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ALPの正常値は120~350 IU/L以下で、ALPの平均値はどの年代も問題はないようです。ALPが正常値を超えるのは、重篤な肝臓病、胆汁うっ滞、珍しいところでは、妊娠末期の胎盤、成長期の子供や高齢者の骨の異常で、ALPが正常値を超えるケースがあります。
また、2016年に人間ドッグ学会が発表したALPの基準範囲は、厚生労働省が定義する正常値120~350 IU/L以下よりもかなり厳格な数値となってる点に注意して下さい。
人間ドッグ学会 ALP 基準範囲 |
男性 | 女性 |
ALP | 30~80歳 122~300 | 30~44歳 100~242 45~64歳 110~326 65~80歳 122~343 |
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✅胆汁うっ滞(胆汁の流れが悪い)
✅胆管閉塞(胆管に胆石が詰まる)
✅妊娠末期(胎盤機能が悪い)
✅骨の病気

ALPは、肝臓や小腸、骨や女性の胎盤などに存在しますので、ALPが正常値を超える場合、まずはこのあたりの異常を考えます。
ALPの数値の他に、ALT、AST、γ-GTPも高い場合、肝機能や胆管などが機能してない可能性がありますので、精密検査でどの臓器に異常があるか見極めて治療に入ります。治療が上手くいけば、ALPも正常値へ近づいていくはずです。
もしもALPだけ高い場合は、骨の異常や胎盤内の環境を疑います。
骨の異常はその治療に専念して改善すれば、ALPの数値も正常値へ近づいていきます。また、エストロゲンによるALP上昇は、一過性のものなので特に心配はありませんが、まれに胎盤を構成する絨毛に出来る癌(絨毛癌(じゅうもうがん))などでALPが正常値を超えるケースもあります。
骨の異常の場合、骨がもろくなる高齢者に多いという事になりますが、成長期の子供にも骨の病気はよく見られれますので、ALPが正常値を超える子供も散見されています。
骨の病気の治療に成功すれば、ALPも下がります。骨の病気は時間がかかることが多いですが、粘り強く治療して行きましょう。
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今日は、肝機能ALP(アルカリホスファターゼ)の正常値、年代別の平均値、日本人間ドッグ学会のALPの基準範囲を一覧表にして、ALPの概要と考えられる病気、ALPを下げる方法をまとめました。皆さんのALPが正常値に向かう事を願っています。