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60代の肝機能の正常値、平均値、肝機能の数値が正常値を超える原因とその解決法をまとめました。また、2016年に発表された日本人間ドッグ学会の「基準範囲」も合わせてご紹介しています。
60代の肝機能を正常値にするには、「60代の正常値、平均値、基準範囲」を知り、肝機能障害になった原因を突き止めて排除していく事に尽きます。
今日から、肝機能の正常値を目指して頑張りましよう。

60代 | AST | ALT | γ-GTP | アルブミン | 総タンパク |
正常値 | 30 | 30 | 50 | 4.0以上 | 6.5~8.0 |
男 平均値 | 26 | 25 | 55 | 4.5 | 7.3 |
女 平均値 | 24 | 20 | 28 | 4.5 | 7.4 |
※2012年4月からの新しい正常値を記載。
AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPの単位は IU/L。アルブミン・総タンパクの単位は g/dL。
【60代】人間ドッグの肝機能の基準範囲 スマホの方は横にしてご覧下さい。

60代 肝機能 基準範囲 |
男性 | 女性 |
AST(GOT) | 14~31 | 13~36(45~64歳) 15~31(65~80歳) |
ALT(GPT) | 11~38 | 8~24 |
γ-GTP | 13~87 | 9~37 |
アルブミン | 4.0~4.8(45~64歳) 3.9~4.7(65~80歳) |
3.9~4.8 |
総タンパク | 6.5~7.9 |

60代の肝機能の概要、肝機能が正常値を超える原因、肝機能の数値を下げる方法をまとめます。

60代 肝機能が正常値を超える割合 |
~30代 | 40代 | 50代 | 60代~ |
男性 | 34% | 41% | 42% | 38% |
女性 | 13% | 18% | 26% | 29% |
肝機能が正常値を超える60代以上の男性は38%、女性は29%というデータとなっていて、閉経を終えた60代女性の肝機能異常率が29%まで上がっています。60代に入ると男女とも、3人に1人ほど肝機能の検査で1つは正常値を超えるという状況のようです。
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✅ウイルス性C型肝炎(ピアス、輸血針、注射針、鍼治療の針など)
✅薬物性肝障害(風邪薬、漢方薬、抗精神薬、抗てんかん薬、解熱鎮痛剤、降圧剤、脂質異常症薬)
✅持病(糖尿病、脂質異常症、脂肪肝など)
✅アルコール依存症、大量の飲酒習慣
✅ストレス過多、寝不足、運動不足
✅女性ホルモンの減少(閉経)

60代になると、病院へ行く機会も当然増えてきますので、ウイルス性肝炎や薬物性肝障害に注意して下さい。
針系の感染のC型肝炎は、現在抗ウイルス療法(飲み薬とインターフェロン治療)が確立されており、重症化してなければ完治も可能な状況になっています。
肝機能障害の原因第一はC型肝炎で230万人、続いてB型肝炎の140万人となっています。十分に注意して下さい。
また、60代になると持病と服用薬はつきものです。薬を飲むと解毒作用を行うのが肝臓です。薬は肝臓への負担が大きいので、肝機能の数値が正常値を超える事はよくある事です。
60代の方が飲みそうな薬で、肝機能障害を起こす可能性がある薬を一覧表にします。
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60代 薬物性肝障害 |
肝機能障害の可能性のある薬 |
抗生物質 | アジスロマイシン、ペニシリン系、タリビットなど |
解熱鎮痛剤 | ボルタレン、アセトアミノフェン、ロキソニンなど |
漢方薬 | 柴胡桂枝乾姜湯、柴苓湯、小柴胡湯など |
風邪薬 | PL総合かぜ薬、市販かぜ薬など |
抗精神薬 | セロクエル、ジェイゾロフト、アナフラニールなど |
抗てんかん薬 | カルバマゼピン、デパケン、バルブロ酸など |
降圧剤 | アムロジピン、アデラート、コニールなど |
脂質異常症薬 | リピトール、リポバス、ローコール、リバロなど |
※読み方:柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)、柴苓湯(サイレイトウ)、小柴胡湯(ショウサイコトウ)
投薬による肝機能障害の報告が一番多いのが抗生物質、続いて解熱鎮痛剤や漢方薬そして風邪薬といった、普段気軽に飲んでいる薬が多い点に注意して下さい。
服用薬を処理するのは肝臓です・・・60代の方、薬には十分気を付けて下さい。
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今日は、60代の肝機能の正常値、平均値、基準範囲、そして注意すべき服用薬などについてまとめました。