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AST(GOT)はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの略称で、以前はGOTとも呼ばれていました。ASTはALTとセットで数値を見て、正常値を超える原因や考えられる病気を特定していきます。
今日は、ASTの正常値、年代別の平均値、日本人間ドッグ学会の基準範囲、そしてASTの概要、考えられる病気やASTの数値を下げる方法をまとめていきます。
ASTは主に3つ臓器(肝臓、心臓、骨格筋)に異常が出ると正常値を超えます。
AST(GOT) | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
正常値 | 30IU/L ![]() |
||||
男 平均値 | 23 | 27 | 26 | 26 | 26 |
女 平均値 | 18 | 20 | 23 | 24 | 24 |
【AST(GOT)】肝機能まとめ

AST(GOT)の概要、考えられる病気、AST(GOT)を下げる方法をまとめます。
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現在ASTの正常値は30IU/L以下と定義されてます。2012年3月までは10~40IU/LがASTの正常値でした。また、2016年に日本人間ドッグ学会が発表したASTの基準範囲もASTの正常値を目指す方には参考になる数値だと思います。
日本人間ドッグ学会 AST 基準範囲 |
男性 | 女性 |
AST(GOT) | ・30~80歳 14~31 | ・30~44歳 12~24 ・45~64歳 13~30 ・65~80歳 15~31 |
150万人の人間ドッグ受診者の数値データから、この基準範囲を設定したという事ですが、ASTの正常値は厚生労働省の30IU/L以下です。間違えないようにしてください。※私の解釈では、基準範囲≒許容範囲で、予防医学的に安全なのは正常値30IU/L以下となります。
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AST(GOT)は肝臓、心臓、筋肉細胞に存在する酵素、ALTは肝臓のみの存在する酵素で、臓器に異常が出ると血液中に流れ出します。ですので、血液検査を行うと、どこに異常があるのか推測出来るのです。
ASTの数値だけ高い
✅肝臓、心臓、骨格筋などのいずれかに障害
AST・ALT2つとも数値が高いが、ASTの方が高い
✅肝機能障害(ウイルス性肝炎、脂肪肝、慢性肝炎、薬物性肝炎など)
✅心筋梗塞(軽度でも上昇、心疾患の早期発見に役立つ)
✅骨格筋(筋肉)疾患(筋トレ、ジョギングでも上昇、減らせば下がる)
通常、ALTがASTより高い場合は肝機能障害を疑い、ASTがALTより高い場合は肝臓だけでなく、心臓や骨格筋の疾患も疑って精密検査を行います。
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筋トレ、ジョギングなどの骨格筋(筋肉)を傷つけた覚えのある方やそれに伴うサプリやプロテインの摂取がある方、最近投薬を開始した方(鎮痛剤、風邪薬、漢方薬、結核薬など)は、それらが原因で一時的にASTやALTが上昇した可能性もありますので、それらを止める又は減らせば、ASTが早期に正常値へ向かう可能性もあります。
その他、ウイルス性肝炎、脂肪肝、心疾患などは、生活習慣や持病が関係してるケースもあり、精密検査により原因を解明していきます。
原因が分かれば、「食事療法と安静、必要なら薬物療法(インターフェロンなど)」という、肝臓病の基本治療を行います。肝硬変にまでいってしまうと、悪化するのを遅らせる事しかできない場合もありますので、早くASTを正常値へ戻せるように医師とともに頑張って下さい。
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今日は、AST(GOT)の正常値、年代別・男女別の平均値、人間ドッグ学会の基準範囲、そしてASTの概要と考えられる原因や病気をまとめました。皆さんのASTが正常値になる事を期待しています。