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50代の肝機能の正常値、平均値、2016年に日本人間ドッグ学会が発表した肝機能の基準範囲を一覧表にしました。
全ての年代を通して、肝機能の平均値が一番悪いのが50代です。肝機能が正常値の方は50代男性で58%、50代女性で74%にとどまっています。問題は50代男性ですね・・・42%もの方が肝機能が正常値を超えているのです。
今日は、50代の肝機能が正常値を超える原因と肝機能の数値を下げる方法をまとめておきます。

50代 | AST | ALT | γ-GTP | アルブミン | 総タンパク |
正常値 | 30 | 30 | 50 | 4.0以上 | 6.5~8.0 |
男 平均値 | 26 | 27 | 58 | 4.6 | 7.3 |
女 平均値 | 23 | 21 | 27 | 4.5 | 7.4 |
AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPの単位は IU/L。アルブミン・総タンパクの単位は g/dL。
【50代】肝機能まとめ



50代の肝機能の概要、肝機能が正常値を超える原因、肝機能の数値を下げる方法をまとめます。
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50代 肝機能が正常値を超える割合 |
~30代 | 40代 | 50代 | 60代~ |
男性 | 34% | 41% | 42% | 38% |
女性 | 13% | 18% | 26% | 29% |
50代男性の42%、50代女性の26%が肝機能の検査で正常値を超えるというのが現実です。そうなると、日本人間ドッグ学会の「肝機能の基準範囲」がカギになってきそうです。
50代男女とも3~4人に1人は肝機能の検査でひっかかる訳ですから、正常値ではなくても「人間ドッグの基準範囲」には入りたいところです。

50代 肝機能 基準範囲 |
男性 | 女性 |
AST(GOT) | 14~31 | 13~36(45~64歳) |
ALT(GPT) | 11~38 | 8~24 |
γ-GTP | 13~87 | 9~37 |
アルブミン | 4.0~4.8(45~64歳) | 3.9~4.8 |
総タンパク | 6.5~7.9 |
日本人間ドッグ学会の「肝機能の基準範囲」の上限を赤線で引きましたが、ここが通常の肝機能の正常値よりゆるい数値です。
もちろん正常値が一番なのですが、肝機能の数値がかなり超えてしまった50代は、まずは「人間ドッグの基準範囲」を目指すのが良いでしょう。AST(GOT)の上限は男性31女性36、ALT(GPT)男性の上限が38、γ-GTP男性の上限が87です。
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✅肥満、脂肪肝、糖尿病など
✅アルコール、大量の飲酒
✅脂質、カロリー、糖質の多い食事
✅C型肝炎(ピアス、入墨(タトゥー)、注射針、鍼治療の針など)
✅ストレス、寝不足、運動不足
✅服用薬(抗うつ剤、解熱鎮痛剤、降圧剤、脂質異常症薬など)
✅女性の閉経と更年期障害

上記肝機能が正常値を超える7つの原因の中から、出来るものを一つづつ排除していきましょう。
50代で飲酒習慣がなくても、肝機能が正常値を超える方も多いですが、その場合は肥満や糖尿病、高カロリーで高糖質の食事になってないか、ストレスや寝不足でないかを考えてみます。当てはまるようなら、これらを排除していきます。
もしも生活習慣ではなく、一時的に服用してる薬で肝機能が正常値を超える50代もいます。例えば、解熱鎮痛剤、降圧剤、脂質異常症薬などを最近服用し始めたという50代の方は医師に要相談です。
薬物性肝機能障害は薬の種類を変えれば改善しますし、C型肝炎はインターフェロン治療がありほぼ完治する時代になりました。ご安心ください。
最後になりましたが、50代女性は更年期障害の一つで肝機能が正常値を超える可能性があります。更年期障害の治療に全力を注ぐようにしましょう。
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今日は、50代の肝機能の正常値、平均値、人間ドッグ学会の肝機能の基準範囲、肝機能が高い原因やその対策をまとめました。