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アルブミン(ALB)は、肝機能の検査として行われることが多いですが、栄養状態が良いか悪いかを判断する項目という認識も強い数値です。
今日は、アルブミン(ALB)の正常値、年代別の平均値、人間ドッグ学会が発表した基準範囲をご覧いただき、アルブミン(ALB)が低い原因や病気、アルブミンを上げる方法をまとめておきます。
また医療機関では、アルブミンの数値とA/G比(アルブミンとグロブリンの比率)の数値2つを見て病名を絞り込んでいますので、A/G比についてもお話しておきます。
アルブミン(ALB) | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 |
正常値 | 4.0g/dL 以上 ![]() |
||||
男 平均値 | 4.8 | 4.7 | 4.6 | 4.5 | 4.3 |
女 平均値 | 4.5 | 4.5 | 4.5 | 4.5 | 4.4 |
【アルブミン(ALB)】まとめ

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2012年4月からアルブミンの正常値は4.0g/dL以上、それ以前は3.8~5.2g/dLでした。そして男女・年代別のアルブミン(ALB)の平均値は、4.3~4.8の間で推移していて大きな問題はないようです。
次の一覧表は、日本人間ドッグ学会のアルブミン(ABL)の基準範囲ですが、こちらは2016年に男女・年齢別で決められたものです。下限の数値が3.9からになってる年齢があり、正常値の4.0より0.1だけ低くなっています。
人間ドッグ学会 ALB 基準範囲 |
男性 | 女性 |
アルブミン(ALB) | 30~44歳 4.1~4.9 45~64歳 4.0~4.8 65~80歳 3.9~4.7 |
30~80歳 3.9~4.8 |
また、もしもアルブミン(ALB)の数値がが正常値(4.0g/dL)より低い場合ですが、医療機関でグロブリンも合わせた再検査を行い、アルブミンとグロブリン比率(A/G比)を見て病気を絞り込んでいくのが一般的です。A/G比の正常値は1.0~2.3の範囲です。
A/G比 正常値 | 正常値 |
A/G比(アルブミン÷グロブリン) | 1.0~2.3 |
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A/G比 | 考えられる原因(病気) |
ALB < 4.0 | 体調、遺伝、加齢、栄養失調、拒食症、肝臓病、腎臓病、悪性腫瘍 |
A/G比 < 1.0 | 体調、体質、遺伝、多発性骨髄腫、リンパ球関連の悪性腫瘍 |
A/G比 1.0~2.3 |
正常値 |
A/G比 > 2.3 | 体調、遺伝、AIDS、副腎皮質ホルモン(薬剤)、放射線療法(抗がん) |

ALBが正常値(4.0g/dL)を下回る原因が、体調、遺伝、加齢であるケースもあります。その場合は、他の検査項目を見て、数値に問題なければ病気ではないという診断になるのが一般的です。つまり、異常ではない、体質や遺伝という診断になります。
一方、拒食症による栄養失調でALBが正常値を下回るケースや肝臓や心臓の機能低下からALBが低い場合は、その治療に全力を注ぐことになります。
また、アルブミン(ALB)の検査の結果が正常値を下回る場合、再検査になりグロブリンの数値を調べて、先ほどのA/G比を出しますが、このA/G比で重篤な病の発見につながる事もありますので、アルブミン(ALB)が正常値をかなり下回る方は、必ず再検査することをお勧めします。
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今日は、アルブミン(ALB)の正常値、年代別の平均値、人間ドッグ学会の基準範囲、A/G比、考えられる原因や病気をまとめました。皆さんのアルブミン(ALB)の数値がが上がる事を期待します。